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研究概要/Research

 当講座では、総合大学医学部歯科口腔外科の特徴を活かし口腔腫瘍、顎変形症、顎関節症、唇顎口蓋裂、インプラント(人工歯根)を柱に種々の研究を展開しています。
 また、早くからインプラントや再生医療などにとりくみ、骨再生の分野では全国に先駆けて臨床研究を行ってきました。いままでに骨髄幹細胞や幹細胞由来成長因子を用いた再生医療の実績があります。

 

​2024年業績

【論文発表】

Mutational landscape of oral mucosal melanoma based on comprehensive cancer genomic profiling tests in a Japanese cohort. Ichimura N, Urata Y, Kobayashi T, Hibi H. Oral Oncology. 152: 106807.

がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に登録されたがん遺伝子パネル検査の結果を用いて、口腔粘膜メラノーマの遺伝子プロファイリングを解析しました。得られた結果を鼻腔粘膜や皮膚原発のメラノーマと比較することで、口腔粘膜メラノーマに特徴的な遺伝子変化を明らかにしました。日比教授をはじめ、研究を共にする浦田先生、小林先生、江幡先生、松本先生の惜しみないサポートに改めて感謝いたします。

​(市村典久)

Cytoprotective role of human dental pulp stem cell-conditioned medium in chemotherapy-induced alopecia. Chen H, Yamaguchi S, Wang Y, Kaminogo K, Sakai K, Hibi H. Stem Cell Research & Therapy 15(1): 84.

化学療法誘発性脱毛症(CIA)は患者さんのボディイメージの変化からQOLの低下をきたす重大な副作用です。ヒト歯髄幹細胞無血清培養上清(DPSC-CM)は多くの毛髪成長制御因子を含んでおり、CIAの新たな治療法となる可能性があります。本研究では、DPSC-CMがCIAに与える影響を明らかにしました。DPSC-CMは、正常ヒト表皮角化細胞およびCIAモデルマウスにおいて、シクロホスファミドによる細胞毒性に対して有意な細胞保護効果を示しました。さらに、CIA誘導後に低酸素状態で得られたDPSC-CM(H-CM)を投与することで、毛髪の再生を促進し、毛髪の質を改善する可能性があることが明らかとなりました。本研究はDPSC-CMおよびH-CMを、CIAの細胞保護剤および発毛促進剤として活用できる可能性を示すものです。

(陳 暉)

Predictors of anxiety and depression in patients with oral cancer undergoing radical resection with reconstructive surgery. Kaminogo K, Yamaguchi S, Tokura T, Kimura H, Kishi S, Ichimura N, Yamamoto N, Ohara G, Chen H, Ozaki N, Ikeda M, Hibi H. Oral Oncology Reports   10: 100295.

精神症状(不安・抑うつ)のスクリーニングツールであるHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)を使用し、口腔癌患者の精神症状について検討しました。その結果、原発部位(舌癌)と配偶者の有無(未婚者)が術後の精神症状悪化のリスク因子となることが明らかとなりました。本研究は精神科との共同研究であり、今後も継続していきます。

(上之郷健人)

Stem cell therapy based on human periodontal ligament stem cells preactivated with TNF-α as for human head and neck squamous cell carcinoma. Ohara G, Okabe K, Toyama N, Ohta Y, Song X, Tsuboi M, Kouyama N, Sato K, Hibi H. Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology 36(2): 217-226.

間葉系幹細胞は、さまざまな分子による活性化後に抗腫瘍因子を発現することから、癌治療への応用が期待されています。われわれはヒト歯根膜由来幹細胞(hPDLSCs)をTNF-αで前活性化することによって、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)が高発現することに着目し、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)細胞に対する効果を評価しました。本研究では、TNF-αの前活性化によってhPDLSCsがHNSCC細胞に向かって移動し、アポトーシスを直接誘導することを明らかにしました。hPDLSCsは癌治療への応用に適した幹細胞である可能性が示唆されました。

​(小原 豪)

会発表】

◎第23回日本再生医療学会総会(2024年3月21〜23日、新潟)

「心-Compassion なおりたい、治したい、未来を変えたい」をテーマに開催されました。当科からは2題の発表があり、私は「骨髄間葉系幹細胞由来培養上清による骨格筋再生」と題して基礎研究の成果を発表いたしました。今回の発表でいただいたご意見を参考に、今後も研究に励んでいきたいと思います。本発表に際してご指導を賜りました先生方に御礼申し上げます。

(丸山紗季)

◎第33回日本有病者歯科医療学会学術大会(2024年3月8〜10日、新潟)優秀発表賞受賞!

本学術大会は「地域で支える有病者歯科医療―地域完結型医療、地域共生社会に向けた新展開―」をテーマに新潟で開催されました。私は「リアルワールドデータを用いた歯原性癌腫患者の遺伝子異常の解析」について発表しました。本大会で得た知見を今後の臨床、研究活動に活かせればと思います。日比教授ならびに本研究に協力いただいた浦田先生、小林先生に深謝いたします。

​(市村典久)

◎第42回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会(2024年1月25〜26日、札幌)優秀ポスター発表賞受賞!

「口腔腫瘍学の発展と調和」をテーマに開催された本大会には、当科から4題の発表があり、私は「包括的がん遺伝子プロファイリング検査に基づく口腔粘膜メラノーマの遺伝子異常の解析」について発表しました。他施設の研究者とのdiscussionを通して、研究の課題や方向性を見つめ直す良い機会となりました。日比教授をはじめ本研究に協力いただいた浦田先生、小林先生に感謝いたします。

​(市村典久)

  1. ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清が化学療法による脱毛症に与える細胞保護効果. 陳暉, 山口聡, 王芸霖, 上之郷健人, 酒井陽, 日比英晴. 第23回日本再生医療学会

  2. 骨髄間葉系幹細胞由来液性因子による骨格筋再生. 丸山紗季, 坂口晃平, 張婧雯, 日比英晴. 第23回日本再生医療学会

  3. リアルワールドデータを用いた歯原性癌腫患者の遺伝子異常の解析. 市村典久, 浦田悠輔, 小林建, 日比英晴. 第33回日本有病者歯科医療学会学術大会

  4. 包括的がん遺伝子プロファイリング検査に基づく口腔粘膜メラノーマの遺伝子異常の解析. 市村典久, 浦田悠輔, 小林建, 日比英晴. 第42回日本口腔腫瘍学会

  5. Controlling Nutritional Status(CONUT)による進行口腔癌患者の栄養評価. 山口聡, 外山直人, 上之郷健人, 日比英晴. 第42回日本口腔腫瘍学会

  6. 口腔癌患者のコーピング様式と社会復帰に関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 小原豪, 日比英晴. 第42回日本口腔腫瘍学会

  7. Prognostic nutrition index(PNI)による術前の栄養評価は術後在院日数と相関する. 小原豪, 山口聡, 外山直人, 上之郷健人, 日比英晴. 第42回日本口腔腫瘍学会

​2023年業績

【論文発表】

Ferroptosis induced by plasma-activated Ringer's lactate solution prevents oral cancer progression. Sato K, Yang M, Nakamura K, Tanaka H, Hori M, Nishio M, Suzuki A, Hibi H, Toyokuni S. Oral Disease

本論文はプレスリリースがされました。以下の内容をご覧ください。

(日本語)https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Ora_231205.pdf

(英語)https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_E/research/pdf/Ora_231205en.pdf

(佐藤康太郎)

Preoperative controlling nutritional status (CONUT) is a predictor of short-term outcomes in patients with oral cancer. Yamaguchi S, Toyama N, Kaminogo K, Ohara G, Ichimura N, Kouyama N, Kamei Y, Hibi H. Oral Oncology Reports 8: 100119.

再建をともなう手術を受けた口腔癌患者さんの入院期間が栄養状態と関連することを明らかにしました。またその評価指標としてCONUT法が有用であることを示しました。

​(山口 聡)

Hyperthermia maintains death receptor expression and promotes TRAIL-induced apoptosis. Ohara G, Okabe K, Toyama N, Ohta Y, Song X, Ichimura N, Sato K, Urata Y, Hibi H. JOURNAL OF ORAL PATHOLOGY & MEDICINE 52(8): 718-726.

腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)は正常細胞への影響が少ない癌特異的な治療薬として期待されています。臨床応用への課題は、TRAILに耐性を示す癌細胞の存在であり、われわれは頭頸部扁平上皮癌細胞に対して温熱療法(HT)による克服を試みました。本研究では、HTの併用がTRAILの殺細胞効果を高めること、その機序としてHTがDRのユビキチン化を抑制することによってTRAIL感受性を高めることを明らかにしました。

​(小原 豪)

High-mobility group box 1 accelerates distraction osteogenesis healing via the recruitment of endogenous stem/progenitor cells. Chang Q, Fujio M, Tsuboi M, Bian H, Wakasugi M, Hibi H. Cytotherapy 25: 946- 955.

幹/前駆細胞移植を応用した骨再生療法は有用ですが、培養のために体外に取り出すと感染などのリスクを伴います。そのため細胞を体外に取り出すことなく、骨再生に応用する研究が必要です。本研究では、ダメージ関連分子パターンの一種、HMGB-1が内在性幹/前駆細胞を局所に動員させ、骨延長の治癒を促進することを明らかにしました。

(常 琪)

Postoperative social adaptation in correlation with the number of supporters for patients with oral cancer. Yamaguchi S, Kaminogo K, Tokura T, Kimura H, Kishi S, Yamamoto N, Ichimura N, Ozaki N, Hibi H. Oral Oncology Reports 6: 100054.

再建を伴う手術を受けた患者さんの社会適応度は、支援に対する満足度ではなく、支援者の数とよく相関することが明らかとなりました。口腔癌の患者さんが心理社会的により良い生活を取り戻せるよう、サポート充実につながる研究を継続していきます。

(山口 聡)

Mandible fracture treated with the SMARTLock hybrid maxillomandibular fixation system: A case report. Imura M, Sato K, Okabe K, Hibi H. Oral Science in Japan 2022: 9-11.

(井村美孔)

Exposure of low-temperature plasma after vaccination in tongue promotes systemic IgM induction against spike protein of SARS-CoV-2. Sato K, Fujii K, Tanaka H, Hori M, Hibi H, Toyokuni S. Free Radical Research 57: 30-37.

抗原(オボアルブミン、スパイクタンパク)を舌もしくは皮下に注射し、低温プラズマを注射部位に照射することで、免疫系にどのような影響を与えるのかを検討しました。その結果、舌に照射することで血液中のIgM産生が促進され、一方で皮膚に照射した場合は逆に抑制されました。また、舌への抗原投与ではIgMならびにGがともに皮下への投与と比較して著明に上昇することを見出しました。低温プラズマ照射の免疫応答調整作用を応用することで、新たな治療法開発へとつなげられる可能性ならびに予防接種経路としての舌注射の有効性が示唆されました。

​(佐藤康太郎)

Family with sequence similarity 20 member B regulates osteogenic differentiation of bone marrow mesenchymal stem cells on titanium surfaces. Song X, Okabe K, Ohta Y, Ohara G, Toyama N, Chang Q, Wang Y, Hibi H. Acta Biomaterialia 161: 298-308.

歯科インプラント治療においては、チタン表面の骨再生が不可欠です。この骨再生では、チタン表面との間にプロテオグリカンに富む層が介在することが特徴として挙げられます。近年、この層を制御するキナーゼがFamily with sequence similarity 20 member B(FAM20B)であることが明らかになりました。本研究では、骨再生において主たる役割を担う骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)におけるFAM20Bの機能を解析しました。結果、FAM20Bをノックダウンすると、チタン表面とBMSCの間にプロテオグリカン層が形成されなくなるだけでなく、同時に骨形成に関連する遺伝子の発現が低下しました。また、骨分化の重要な転写因子であるRUNX2の核内転位や転写活性の低下がみられました。

(宋昕蔓)

Coping styles and quality of life in oral cancer patients undergoing radical resection and free flap reconstruction. Kaminogo K, Yamaguchi S, Tokura T, Kimura H, Kishi S, Yamamoto N, Ozaki N, Hibi H. Oral Oncology Reports 5: 100015.

再建をともなう手術を受けた口腔癌患者のコーピング様式とQOLについて検討しました。術前のコーピング様式は術後のQOLと相関していることが示唆されました。今後は別の観点から研究を継続していきたいと思います。

(上之郷健人)

Comparison study of the Le Fort I osteotomy using 2- and 4-plate fixation. Fujio M, Sayo A, Ogisu K, Chang Q, Tsuboi M, Hibi H. Nagoya Journal of Medical Science 85(1): 70-78.

Le Fort I型骨切り術後の骨片固定に使用するプレートの枚数と安定性について検討しました。限られた条件ながら、体内に留置するプレート、スクリューの数を減らすことができる可能性を示しました。

​(藤尾正人)

Social adaptation following radical resection and free flap reconstruction for oral cancer. Yamaguchi S, Kaminogo K, Tokura T, Kimura H, Kishi S, Yamamoto N, Ichimura N, Koma Y, Ozaki N, Hibi H. Advances in Oral and Maxillofacial Surgery 10:100416.

口腔癌に対し再建をともなう手術を受けた患者さんの社会適応度について検討しました。その結果、未婚の患者さん、舌癌の患者さんで社会適応度が低下していることが明らかとなりました。口腔癌に罹患した患者さんが心理社会的により良い生活を取り戻せるよう、サポート充実につながる研究を継続していきます。

​(山口 聡)

A case of sternal osteomyelitis caused by defective wound healing after surgery of gingival cancer. Ichimura N, Yamamoto N, Urata Y, Ikutomi S, Hibi H. IDCases 31: e01682.

下顎歯肉癌術後の患者さんに生じた胸骨骨髄炎の症例報告がIDCasesに掲載されました。

胸骨にまで炎症が波及したまれな症例であり、ご一読いただけると幸いです。

(市村典久)

 

Langerhans cell histiocytosis of single-system multifocal bone, including the mandible, in a 22-month-old child: A case report. Sakai K, Yamamoto N, Yamaguchi S, Okabe K, Koma Y, Hibi H. Oral Science International 20(1): 60-64.

下顎骨を含むsingle system multifocal bone(単一臓器多病変型)のランゲルハンス細胞組織球症の症例報告論文がOral Science Internationalに掲載されました。1歳児の症例はまれであり、ご一読いただけると幸いです。

(酒井 陽)

会発表】

◎第44回日本口腔インプラント学会中部支部学術大会(2023年12月10日、浜松)

「インプラント治療の未来へ繋ぐ」をテーマに開催されました。私は「Neurotrophin-3が骨延長術の治癒過程に及ぼす影響」について口演発表しました。質疑応答では座長の先生と活発な議論を交わすことができ、貴重な経験をさせていただきました。当科からは日比英晴教授が「インプラント治療における医療安全と感染対策」と題して当科での取り組みについて紹介いたしました。

(若杉将史)

◎第27回日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会(2023年12月2〜3日、東京)

「インプラント関連手術を多面的・多角的に再考する」をテーマに国際医療福祉大学東京赤坂キャンパスで開催されました。顎骨再建とインプラント治療についての他施設の考え方を聞く事ができ大変勉強になりました。私は「再建に用いた組織から生じた扁平上皮癌の一例」の演題でポスター発表させていただきました。対面で学会発表するのは初めてのことであり緊張しましたが、多くの先生方から御質問・御意見をいただき貴重な経験となりました。日比教授をはじめ御指導くださった先生方に深く感謝申し上げます。

(佐々木雄大)

◎第68回日本口腔外科学会総会・学術大会(2023年11月10〜12日、大阪&Web開催)
 「次世代への継承と新たなる発展 Passing On Our Legacy, Breaking New Ground」をテーマに、現地およびオンデマンド配信のハイブリッド方式での開催となりました。そのテーマに関連したシンポジウムが多く、ご高名な先生方からの若手に向けたお言葉を聞き、身の引き締まる思いでした。当講座からは7題の発表がありました。私は「顎関節滑膜骨軟骨腫症の1例 」について口演発表をしました。本会で学んだことを今後の臨床で活かしたいと思います。日比教授、藤尾先生、坂口先生をはじめご指導くださった先生方に深く感謝申し上げます。

(坪井亮仁)

◎第66回NPO法人日本口腔科学会中部地方部会(2023年10月14日、浜松)

「ヒト歯髄幹細胞由来細胞外小胞は放射線性顎骨壊死の発症を予防する」と題して基礎研究の成果を発表いたしました。現地でいただいたご意見を活かせるよう、今後の研究に取り組んでいきます。本発表に際してご指導を賜りました先生方に御礼申し上げます。

​(小原 豪)

◎第43回日本歯科薬物療法学会(2023年9月22〜24日、宇都宮)

第35回日本口腔診断学会、第32回日本口腔感染症学会、第33回日本口腔内科学会との4学会合同で学術大会が開催されました。当科からは小生が「再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の周術期せん妄・不眠に対する薬物療法」と題して頭頸部癌リエゾンチームの取り組みと研究成果を紹介いたしました。4学会合同とあって、あらゆる観点から口腔疾患を見つめ直すよい機会になりました。

​(山口 聡)

 

◎第53回日本口腔インプラント学会学術大会(2023年9月15〜17日、札幌)

第43回東北・北海道支部学術大会との併催で開催されました。大会テーマは「国民から信頼させる口腔インプラント治療 ‐口腔機能回復によるQOL向上への貢献‐」でさまざまな観点から多くの発表あり、勉強する良い機会となりました。当科からは日比英晴教授が「再生医療主導型研究のわれわれの歩み」と題して当科での再生医療への取り組みと研究成果をシンポジウムで紹介いたしました。

(酒井 陽)

 

◎第1回若手口腔外科医交流会(2023年7月29〜30日、大阪)

当科からは佐世助教、渡邊病院助教が男女共同参画のセッションでシンポジストを、2年次研修医の竹中先生が口頭発表を行い、活発な議論がされていました。その他、当科からも若手の先生方が多く参加され、明日からの臨床に役立つ内容が多く、実りの多い会だったようです。私は若手口腔外科医ワーキンググループメンバーとして参画し、座長やシンポジストを努めさせていただきました。達成感とともに無事終えられたことの安堵感が強かったように思います。今回のフィードバックをもとに、盛岡で開催される第2回に向け、若手の先生方にとって魅力的な企画を計画できればと考えております。

​(佐藤康太郎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◎The 25th International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery (2023年6月8〜11日、バンクーバー)

第25回ICOMSに参加し研究成果を発表してまいりました。現地開催であり76の国と

地域から約1300人が参加していました。小生は「Quantitative evaluation of the

masseter muscle stiffness in patients with temporomandibular disorders using

strain elastography」と題して発表し、サンパウロ大学、トロント大学の先生方と

意見交換をすることができました。また、顎関節外科でご高名なフロリダ大学の

Dr. M.F. Dolwickの講演を拝聴して質問をさせていただくこともでき、とても刺激

をうけました。本学会で得た経験を糧に研究、臨床に励んでまいります。

                               (坂口晃平)

 

◎第33回日本顎変形症学会総会・学術大会(2023年6月8〜9日、東京)
私たちは会場で「骨片固定プレートの生体力学的解析」のポスター発表をしました。現地で質疑応答もあり、今後の研究の示唆に富んだ有意義な発表になりました。3Dシミュレーションに関する最新の研究やその臨床応用、また仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、メタバース(仮想空間)の活用についての講演がありました。私たちの研究も人工知能やデジタル化といった技術と相性がよく、とても参考になりました。今後の臨床、研究に活かしていきたいと思います。

(佐世 暁)

 

◎第48回日本口腔外科学会中部支部学術集会(2023年6月4日、岐阜&WEB開催)

「新生〜清流がつなぐ口腔外科のバトン〜」のテーマで開催されました。小生は、「下顎リンパ節に転移した下顎歯肉癌の1例」の演題で口演発表させていただきました。小生にとって初めての学会発表であり緊張しましたが現地へお越しいただいた先生方の支えもあり無事に発表することができました。また他施設の先生から貴重な質問・意見をいただきこの症例を通して知見を深める事ができました。今後も積極性を大事にして診療、学会発表を行っていきます。

(末次晃宗)

◎日本補綴歯科学会第132回学術大会(2023年5月19~21日、横浜&WEB開催)

 本会のテーマは「補綴の未来,歯科の未来.“Society 5.0に向けたイノベーションの創出”」であり、補綴歯科治療を通して“生涯を通じて国民の健康増進に寄与する”という強い意気込みが発信されていました。当科からは小生が症例報告をしました。研修医の頃から携わらせていただいている症例であり、長年に渡り多くのことを学ばせていただきました。今後も1症例を大切にする精神を忘れず、臨床に励みたいと思います。

​(佐藤康太郎)

 

◎第77回日本口腔科学会学術集会(2023年5月11~13日、岡山)

「分野を越えた口腔科学」をテーマに岡山コンベンションセンターで開催されました。“歯科界の中の

基礎分野と臨床分野、さらには医学系を含む異分野融合した口腔科学を進めて行く大会にしたい”と大

会長よりお言葉がございました。小生は「エミシズマブ投与中の重症血友病A患者における抜歯経験」

の演題でポスター発表をさせていただきました。小生にとって初めての学会発表であり会場の雰囲気

に圧倒され緊張いたしましたが、満足のいく発表ができ、また他施設の先生方から多くのご質問・ご

意見をいただけたことは大変有意義でございました。今後は出向先の免疫学講座で卓越した研究を行

うとともに臨床においても研鑽を重ね、事前に十分に検討を重ね、学会発表・論文投稿ができたらと

存じます。最後に日比先生、市村先生をはじめご指導くださいました先生方に心より御礼を申し上げ

ます。

                                        (小林 建)

◎第22回日本再生医療学会(2023年3月23〜25日、京都)

「みんなでつくる、未来」をテーマに国立京都国際会館で開催されました。本総会は、再生医療の産業化・実用化を目指す人々の知が結集する年に一度の機会です。小生は「ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清がシクロフォスファミドによる脱毛症に与える効果の検討」と題して発表しました。初めての現地での学会発表でしたが、貴重な経験をさせて頂きました。今回の発表により、自分の研究について理解が深まり、課題を見つけることもできたので、今後の研究に活かしたいと思います。日比教授、山口先生、酒井先生をはじめご指導くださった先生方に深く感謝申し上げます。            

(陳 暉)

 

◎第32回日本有病者歯科医療学会学術大会(2023年3月18〜19日、長野&WEB開催)

「2025年を目指した歯科医療体制の再構築」のテーマでHybridにて開催されました。2025年の地域包括ケアシステムを目前に歯科の立場を再検討することが主題でした。小生は「COVID-19に罹患した口腔癌患者の放射線治療における感染対策」の演題で口演発表しました。ウィズコロナが進んでおりますが、その関心は依然として高くCOVID-19関連の演題が複数みられました。また,「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023 (案) 」についての教育講演が催され高い注目を集めていました。本大会で得た知見を今後の研究や臨床に生かし精進してまいります。

(坂口晃平)

 

◎第41回日本口腔腫瘍学会学術大会(2023年1月26日〜2月28日、WEB開催)

「Singularity〜口腔腫瘍学の大転換〜」をテーマに貴重な講演が数多くあり、非常に有意義な学会でした。小生は「再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の不安と抑うつに関する検討」と題してポスター発表をしました。発表に関して御意見をいただき、大変勉強になりました。今回学んだことを生かして、研究を継続していきます。発表に際して御指導賜りました先生方に御礼申し上げます。

​上之郷健人)

  1. インプラント治療における医療安全と感染対策. 日比英晴. 第44回日本口腔インプラント学会中部支部学術大会

  2. Neurotrophi-3が骨延長術後の治癒過程に及ぼす影響. 若杉将史, 藤尾正人, 佐世曉, 坪井亮仁, 日比英晴. 第44回日本口腔インプラント学会中部支部学術大会

  3. 再建に用いられた組織から生じた扁平上皮癌の一例. 佐々木雄大, 佐世暁, 日比英晴. 第27回日本顎顔面インプラント学会

  4. Controlling Nutritional Statusによる口腔癌患者の栄養評価. 山口聡, 外山直人, 上之郷健人, 小原豪, 市村典久, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  5. 頭頸部扁平上皮癌におけるTET1遺伝子のDNAメチル化解析. 市村典久, 新阜宏平, 生冨翔平, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  6. hMSCs-CMを用いた骨粗鬆症における細胞老化抑制の検討. 劉柯宏, 酒井陽, 丸山裕, 渡邊純奈, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  7. メトトレキサート投与中に口腔を含む多臓器からの出血,敗血症性ショックを生じた一例. 鈴木秀祐, 坂口晃平, 小池恵利加, 藤尾正人, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  8. 血液培養検査で口腔常在菌が検出された左室補助人工心臓装着患者の1例. 丸山裕, 酒井陽, 佐世暁, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  9. 顎関節滑膜骨軟骨腫症の1例. 坪井亮仁, 藤尾正人, 坂口晃平, 佐世暁, 若杉将史, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  10. 抗RANKL抗体関連顎骨壊死に対する歯髄幹細胞培養上清の効果. 上之郷健人, 山口聡, 外山直人, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  11. 働き方やダイバーシティについての意識・実態調査. 吉岡德枝, 日比英晴. 第68回日本口腔外科学会

  12. ヒト歯髄幹細胞由来細胞外小胞は放射線性顎骨壊死の発症を予防する. 小原豪, 岡部一登, 外山直人, 太田優也, 渡邊純奈, 佐藤康太郎, 日比英晴. 第66回日本口腔科学会中部地方部会

  13. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の周術期せん妄・不眠に対する薬物療法. 山口聡, 上之郷健人, 日比英晴.  第43回日本歯科薬物療法学会

  14. 再生医療主導型研究のわれわれの歩み. 日比英晴. 第53回日本口腔インプラント学会

  15. COVID-19対応を要した歯肉浸潤を伴う急性骨髄性白血病の1例. 竹中健人, 佐藤康太郎, 日比英晴. 第1回若手口腔外科医交流会

  16. 男性口腔外科医の育児休業を考える. 佐世暁, 佐藤康太郎, 藤尾正人, 酒井陽, 坂口晃平, 山口聡, 市村典久, 日比英晴. 第1回若手口腔外科医交流会  

  17. 進み始めた大学歯科口腔外科のダイバーシティ. 渡邊純奈, 日比英晴. 第1回若手口腔外科医交流会 

  18. 国際口腔顎顔面外科専門医 ~対策について~ . 佐藤康太郎 . 第1回若手口腔外科医交流会

  19. 転ばぬ先の杖:準備に始まり準備に終わる. 佐藤康太郎. 第1回若手口腔外科医交流会

  20. Quantitative evaluation of the masseter muscle stiffness in patients with temporomandibular disorders using strain elastography. Kohei Sakaguchi, Minami Kato, Hiroshi Maruyama, Saki Maruyama, Kiyoshi Sakai, Hideharu Hibi. The 25th International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery

  21. 骨片固定プレートの生体力学的解析. 佐世暁, 藤尾正人, 坪井亮仁, 酒井陽, 若杉将史, 奥村大, 日比英晴. 第33回日本顎変形症学会

  22. 下顎リンパ節に転移した下顎歯肉癌の1例. 末次晃宗, 市村典久, 藤尾正人, 山口聡, 浦田悠輔, 日比英晴. 第48回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  23. 下顎辺縁切除術後早期に骨延長術を開始し機能回復を図ったインプラント補綴症例. 佐藤康太郎, 坪井亮仁, 日比英晴. 日本補綴歯科学会第132回学術大会

  24. 頭頸部扁平上皮癌におけるTET1メチル化の影響とその臨床的意義. 市村典久, 新阜宏平, 生冨翔平, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  25. 口腔癌に対するTUG1の抗腫瘍効果の検討. 新阜宏平, 市村典久, 生冨翔平, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  26. 口腔扁平上皮癌 (OSCC) NotchシグナルにおけるO-グルコース糖鎖キシロース伸長の役割. 見田幸大, 浦田悠輔, 市村典久, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  27. ROCK阻害薬による骨延長部の骨形成促進効果の検討. 坪井亮仁, 藤尾正人, 若杉将史, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  28. がん微小環境に着目したフェロトーシス誘発プラズマ活性化乳酸リンゲル液による癌治療の創成. 佐藤康太郎, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  29. エミシズマブ投与中の重症血友病A患者における抜歯経験. 小林建, 市村典久, 浦田悠輔, 新阜宏平, 見田幸大, 日比英晴. 第77回日本口腔科学会

  30. ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清がシクロフォスファミドによる脱毛症に与える効果の検討. 陳暉, 山口聡, 王芸霖, 上之郷健人, 酒井陽, 日比英晴. 第22回日本再生医療学会

  31. COVID-19に罹患した口腔癌患者の放射線治療における感染対策. 坂口晃平, 岡部一登, 日比英晴. 第32回日本有病者歯科医療学会

  32. 術後口腔癌患者の身体的・精神的QOLと社会復帰に関する検討. 山口聡, 上之郷健人, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 日比英晴. 第41回日本口腔腫瘍学会

  33. 口腔癌に対するTUG1の抗腫瘍効果の検討. 新阜宏平, 市村典久, 生冨翔平, 日比英晴. 第41回日本口腔腫瘍学会

  34. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の不安と抑うつに関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 小間義朗, 小原豪, 日比英晴. 第41回日本口腔腫瘍学会

  35. Controlling Nutritional Statusを用いた口腔癌患者の栄養評価. 外山直人, 山口聡, 岡部一登, 小間義朗, 甲山尚香, 上之郷健人, 日比英晴. 第41回日本口腔腫瘍学会

​2022年業績

【論文発表】
Immediate curative effects of exercise therapy in patients with myalgia of the masticatory muscles. Sakaguchi K, Taguchi N, Kobayashi R, Taguchi K, Okada K, Kinoshita F, Hibi H. Journal of Oral Rehabilitation 49(10):937-943.

顎関節症の治療法として近年、運動療法が注目され日本顎関節学会でもシンポジウムなどが増えてきていますが、その治療効果に関するエビデンスは十分ではありません。本論文は顎関節症のひとつの病型である咀嚼筋痛障害の患者に運動療法を行いその即時的な治療効果について研究し有用性を報告したものです。医療法人田口歯科医院との共同研究であることにくわえ、医療統計に関して先端医療開発部の先生方のお力もお貸しいただき、本研究を通して他施設や他部署と協同で研究をすすめる面白さを実感することができました。今回の経験を励みにさらに精進してまいります。

​(坂口晃平)

Psychological impact on patients with oral cancer before undergoing resection and free flap reconstruction surgery. Yamaguchi S, Kaminogo K, Tokura T, Kimura H, Kishi S, Yamamoto N, Ichimura N, Toyama N, Koma Y, Kouyama N, Ozaki N, Hibi H. Oral Oncology Reports 1-3: 100004.

口腔癌の罹患や治療は口腔機能だけでなく心理社会的な障害をもたらします。本研究では手術直前の口腔癌患者さんの心理状態について検討し、4割以上の患者​さんに心的外傷後ストレス障害(PTSD)様の症状が生じている可能性を明らかにしました。これは当科の歯科医師だけでなく精神科医、臨床心理士、看護師、言語聴覚士からなるリエゾンチームの取り組みの一部です。口腔癌患者さんが心理社会的により良い生活を取り戻せるよう、サポート充実につながる研究を継続していきます。

​(山口 聡)

Association of alcohol intake and female gender with high expression of TMPRSS2 in tongue as potential risk for SARS-CoV-2 infection. Sato K, Fujii K, Yamamoto N, Ichimura N, Yamaguchi S, Yamada H, Hibi H and Toyokuni S. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition   71(2): 129-135.

ヒトの舌ではSARS-CoV-2の感染に重要なACE2は比較的発現が低く、TMPRSS2が多く発現しており、それぞれ神経周膜および味蕾での発現を確認しました。また、38例のヒトの舌サンプルを用いて解析したところ、TMPRSS2は「女性」、「飲酒」で発現が増強する傾向にあることを明らかにしました。本研究によりACE2およびTMPRSS2の局在を確認できたため、次にそれらに結合している関連タンパク質を解析することでCOVID-19に伴う味覚障害の機序解明などさらなるを研究を計画しています。

2023年度八木記念学術奨励賞を受賞!

この度は日本酸化ストレス学会の八木記念学術奨励賞を受賞することができ、大変光栄に思います。関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。本受賞論文では、口腔内からの感染にはTMPRSS2が重要である可能性が示唆され、「飲酒」および「女性」がその発現を増強させることを初めて示しました。味蕾および神経周膜にACE2およびTMPRSS2の発現を確認できたため、今後はそれらに結合している関連タンパク質を解析することで味覚障害の機序を解明することを目指し、さらには口腔内からのアプローチによるCOVID-19予防法開発を目指したいと考えております。本受賞を励みに、より一層研究に励んで参りたいと考えております。

​(佐藤康太郎)

【学会発表】

◎第26回日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会(2022年11月26日〜27日、東京)

インプラント治療が普及する一方,インプラント周囲炎の症例も増加していると日々の臨床で実感しています。特に骨補填材が適用された症例では治療に難渋することを経験しており、その実態を把握するため臨床研究を進めてきました。その結果について、本学会では「骨補填材が適用された症例のインプラント周囲炎に関する実態調査」と題してポスター発表をさせていただきました。今後も、本学会のテーマである「磨励自彊」の心構えで努力し、インプラント治療の発展に貢献したいと思います。また、この場を借りて、研究にご協力いただいた先生方に御礼申し上げます。

 (岡部一登)

◎第67回 日本口腔外科学会総会・学術大会(2022年11月4日〜6日、千葉&WEB開催)

本大会は「温故知新~咬合外科学を再考する~」をテーマに現地参集+オンデマンドで開催

されました。当講座からは口演発表4題、ポスター発表4題の発表がありました。小生の

演題「Porphyromonas gingivalisに対する近赤外線坑微生物ターゲット療法の開発」が

優秀口演発表賞にノミネートされ、口演発表賞を受賞することができました。現地での

参加により様々な研究に肌で触れることができ、また自らの研究に対しても多くのご意

見をいただくことができました。本大会での経験を糧に自らの研究を前に進めていく所

存です。発表に際し、日比教授、酒井先生、坂口先生をはじめご指導賜りました先生方

に深く感謝申し上げます。

​                                  (丸山 裕)

小生は「骨髄間葉系幹細胞が分泌する細胞外小胞による歯周組織再生」と題して発表し、優秀ポスター発表賞を受賞しました。今大会においてポスター発表はWeb上で質疑応答を行う形式でした。幹細胞が分泌する細胞外小胞の組織再生における有用性が近年報告されてきていますが、本研究では歯周組織再生を目指した研究です。今回の受賞はモチベーション向上に大きくはたらき、臨床への応用を目標に今後も邁進してまいります。日比教授ならびに関係各位に深く感謝を申し上げます。

(坂口晃平)

 

◎第65回日本口腔科学会中部地方部会(2022年10月02日~31日、Web開催)

「口腔科学のさらなる発展を目指して」というテーマで完全オンラインで開催されました。私は「再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の抑うつに関する検討」と題して発表をし、ノミネートされた11演題より3演題が選考され、新人賞を受賞することができました。私にとって初めての学会発表で、この栄誉ある新人賞を受賞出来ましたのは、私ひとりの力ではなく、これまで支え指導して育ててくださった医局の先生方のお陰と実感しております。今回の発表により、貴重な経験をさせて頂きました。今後も皆様のご期待に添えますよう、お力添えを頂きながら、より一層仕事に邁進して参ります。

​(洪 志翔)

◎第64回日本歯科基礎医学会学術大会(2022年9月17日〜19日、徳島)

徳島大学で開催された日本歯科基礎医学会学術大会において小生は研究成果発表をしました。日本の歯学における基礎研究の大きな学会ということもあり、台風14号の接近に関わらず、多くの方が現地参加しておられました。小生は「Porphyromonas gingivalisを標的とした近赤外光抗微生物ターゲット療法の開発」と題し、ポスター発表を行いました。口腔微生物分野に造詣が深い先生方よりご意見ご指摘を受け、今後の研究においてとても有意義な発表となりました。また様々な基礎研究にふれることができ、とても刺激的な学会参加となりました。本学会での経験を通し、自らの研究に邁進する所存です。

 (丸山 裕)

 

◎第35回日本顎関節学会総会・学術大会(2022年7月2日~3日、札幌&Web開催)

「顎関節症:その多様性を理解する!」をテーマにハイブリット形式で開催されました。顎関節症とその関連領域に様々な視点からアプローチする内容の講演やセミナーが企画され、知見が深まる大会でした。私は「顎関節症患者に対するホームケアとしての自己牽引療法の有効性の検証」についてポスター発表しました。45分のポスター討論の時間が設けられ、来てくださった方々に説明して質疑応答するフリーディスカッション形式でした。私にとって初めての学会参加、学会発表であり緊張しましたが学会の雰囲気や面白さを味わうことができ大変刺激を受けました。今回の経験を糧にさらに研鑽を積んでいく所存です。研修医2年次の私にこのような貴重な経験をさせてくださった日比教授、坂口先生をはじめご指導くださった先生方に深く感謝申し上げます。

(髙野菜名実)

◎The 2022 IADR/APR General Session(2022年6月20〜25日、Web開催)

第100回 International Association for Dental research (IADR)に参加し当科から坂口先生と劉先生そして小生が研究成果を発表しました。新型コロナウイルス感染症の蔓延により「VIRTUAL EXPERIENCE」といったZoomを用いたWeb上での発表形式でした。小生は「Near-Infrared Photo-Antimicrobial Targeting Therapy for Periodontitis」と題し発表しました。初めての国際学会で英語でのコミュニケーションが不安でしたが、有意義なディスカッションができました。またオンライン、オンデマンドの特性を活かしてさまざまな他のセッションにも参加し、自らの研究の参考にすることができました。日比教授、酒井先生、坂口先生をはじめご指導くださった先生方に深く感謝申し上げます。本学会を通して得られた経験を糧に自らの研究を進めてまいります。

(丸山 裕)

 

◎20th Annual Meeting of the International Society for Stem Cell Research (2022年6月15〜18日、サンフランシスコ & Web開催)

 2022年6月15-18日に開催された第20回International Society for Stem Cell Research(ISSCR)に参加し「High Mobility Group Box 1 Promotes MSC Migration Capacity And Accelerate Angiogenesis During Distraction Osteogenesis」と題してポスター発表を行いました。今回は現地開催およびWeb配信併用のハイブリッドで開催されました。会場で他の研究者とコミュニケーションをできなかったのは残念ですが、WEBで多くの発表を視聴できたことは大変有意義でとても勉強になりました。本学会で得た経験を今後の研究に活かしたいと思います。

(常 琪)

◎第32回日本顎変形症学会総会・学術大会(2022年6月9日・10日、新潟&Web開催)

当科からは藤尾先生と佐世先生、小生が参加し研究成果を報告しました。小生は「当科における過去10年間の顎矯正手術後のプレート撤去についての検討」と題し、上顎に使用したプレート枚数とその撤去についての検討結果についてWeb上でのポスター発表をしました。現地ではシンポジウムが行われており、熱い討論が交わされていました。初めての学会発表だったので緊張と不安はありましたが、有意義な経験をすることができました。本学会を通して得られた経験を今後の自分の研究に生かしていきます。日比先生、藤尾先生をはじめご指導してくださった先生方に深く感謝申し上げます。

(若杉将史)

◎第47回(公社)日本口腔外科学会中部支部学術集会(2022年5月21日、名古屋&Web)

現地(ウィンクあいち)とWeb配信によるハイブリッド形式で開催されました。私は「硬化性歯原性癌の一例」ついて口演発表を行いました。初めての学会参加、学会発表ということで今までに味わったことのないような緊張感の中での発表でした。登壇に至るまでの準備や実際の質疑応答など、実際に発表しないことには知ることができなかった悩みや焦燥感、達成感があり、学会の一端を知る非常に良い経験をさせていただきました。ご指導いただきました日比教授、岡部先生をはじめとする医局の先生方に深く感謝申し上げます。

(江幡 凌)

◎第19回日本口腔ケア学会学術大会(2022年4月23〜24日、大阪&Web開催)

「口腔ケア!次の扉を開けよう!」をテーマに、現地開催およびWeb配信のハイブリッド形式で開催されました。口腔ケア学会は多職種の学会員が在籍しているため、多方面から口腔ケアの重要性について学ぶことができました。私は「造血幹細胞移植患者の菌血症発症に対する口腔内管理の効果についての検討」についてオンデマンドでポスター発表をしました。当院の症例数の多さを改めて実感しました。今後も臨床に役立つ研究を進めていきたいと思います。

(甲山尚香)

 

◎第76回NPO法人日本口腔科学会学術集会(2022年4月21日~23日、ハイブリッド開催)

「口腔科・口腔科学のSDGsと未来」をテーマに、未来を見据えた最先端の研究や臨床が数多く発表されており、非常に有意義な会でした。当科からは山口先生、浦田先生、小原先生、上之郷先生そして小生が発表し、各人が日頃の研究成果を思う存分発表できた会だったと思います。名誉なことに若手研究者におくられるRising Scientist賞を浦田先生と小生が受賞しました。本受賞をきっかけに当科の研究がさらに加速することを願っています。

(佐藤康太郎)

◎第21回日本再生医療学会総会(2022年3月17〜19日、Web開催)

臨床応用が本格化しつつある再生医療のさらなる飛躍と現在の新型コロナ禍からの脱出への願いをこめて、大会のメインテーマは「翔べ再生医療~幹細胞生物学と組織工学の共創~」となりました。私はWeb上で「ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清がパクリタキセルによる脱毛症に与える効果の検討」のショートプレゼンテーションをしました。初めての学会発表ということで、貴重な経験をさせていただきました。Zoomを用いて質疑応答もあり、他施設の先生にもご意見を頂けたことは大変有意義でした。今回の学会で学んだことを今後の研究に活かしたいと思います。

(陳 暉)

 

第40回 日本口腔腫瘍学会学術大会(2022年2月14日〜3月13日、Web開催)

ワークショップ10「基礎研究のエビデンスをセンスよく臨床に応用するー現在進行

中のtranslational researchー」のなかで「Lysyl hydroxylase 2 (LH2)由来コラーゲ

ンクロスリンクは頭頸部癌の転移促進に関与する」と題して発表しました。本ワー

クショップのコーディネーターを務めていただいた千葉大学の鵜澤教授とは偶然に     

も留学先の研究室が同じであり、そのような縁からお話をいただきました。感染

症予防対策の観点から現地での開催はできませんでしたが、その他演者の最新の基

礎研究に触れられ、自分自身のモチベーション向上につながったと感じております。

また、本学会を通じて人とのつながりの重要性を再確認できました。最後に、本ワ

ークショップに推薦してくださった日比教授ならびに関係各位に多大なる感謝を申

し上げます。

                               (佐藤康太郎)

「再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の社会復帰に関する検討」と題し、口腔癌の切除と再建手術を受けた患者さんの社会適応度の調査結果を報告しました。本発表は、今回はじめて設けられた「いいね賞」を受賞することができました。この賞は審査員ではなく参加者のWeb投票「いいね」の得票数が多いポスター発表に与えられるものです。治療成績だけではなく社会生活やQOLを維持するための取り組みに高い関心があることがわかり、大変うれしく思います。研究にご理解、ご協力をくださりました方々に御礼を申し上げます。

(山口 聡)

  1. 骨補填材が適用された症例のインプラント周囲炎に関する実態調査. 岡部一登, 小原豪, 佐世曉, 日比英晴. 第26回日本顎顔面インプラント学会

  2. 再建をともなう手術を受ける口腔癌患者のコーピング様式と QOL に関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 山本憲幸, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  3. 口腔癌患者に対するソーシャル・サポートと社会復帰に関する検討. 山口聡, 上之郷健人, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  4. Porphyromonas gingivalis に対する近赤外線抗微生物ターゲット療法の開発. 丸山裕, 酒井陽, 小間義朗, 渡邊純奈, 坂口晃平, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  5. プラズマ活性化乳酸リンゲル液を用いた口腔癌に対する新規治療法. 佐藤康太郎, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  6. TRAIL 耐性頭頸部扁平上皮癌に温熱療法が与える効果. 小原豪, 岡部一登, 太田優也, 外山直人, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  7. 植込型左室補助人工心臓装着患者における口腔管理の検討. 酒井陽, 丸山裕, 外山直人, 坂口晃平, 山口聡, 岡部一登, 藤尾正人, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  8. 骨髄間葉系幹細胞が分泌する細胞外小胞による歯周組織再生. 坂口晃平, 酒井陽, 椙村有紀子, 小間義朗, 渡邊純奈, 丸山紗季, 丸山裕, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  9. 口腔癌を標的とした長鎖非翻訳 RNA"TUG1"の抗腫瘍効果の検討. 市村典久, 新阜宏平, 生冨翔平, 日比英晴. 第67回日本口腔外科学会

  10. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の抑うつに関する検討. 洪志翔, 山口聡, 上之郷健人, 日比英晴. 第65回日本口腔科学会中部地方部会

  11. Porphyromonas gingivalisを標的とした近赤外線抗微生物ターゲット療法の開発. 丸山裕, 酒井陽, 小間義朗, 董嬌, 劉柯宏, 渡邊純奈, 坂口晃平, 日比英晴. 第64回歯科基礎医学会 

  12. 顎関節症患者に対するホームケアとしての自己牽引療法の有効性の検証. 高野菜名実, 坂口晃平, 丸山裕, 井村美孔, 加藤みなみ, 酒井陽, 小林里奈, 田口慧, 田口望, 日比英晴. 第35回日本顎関節学会 

  13. Exercise therapy on patients with degenerative disease in temporomandibular joint. Sakaguchi K, Sakai K, Maruyama H, Takano N, Imura M, Taguchi N, Hibi H. The 2022 IADR/APR General Session

  14. Conditioned medium of hMSCs affects stem cell senescence in osteoporosis. Kehong L, Sakai K, Koma Y, Watanabe L, Jiao D, Maruyama H, Hibi H. 2022 IADR/AADR/CADR General Session

  15. Near infrared photo-antimicrobial targeting therapy for periodontal disease. Maruyama H, Sakai K, Sato K, Sakaguchi K, Koma Y, Watanabe J, Jiao D, Kehong L, Hibi H. 2022 IADR/AADR/CADR General Session

  16. High Mobility Group Box 1 promotes MSC migration capacity and accelerates angiogenesis during distraction osteogenesis. Chang Q, Fujio M, Tsuboi M, Bian H, Wakasugi M, Hibi H. 20th Annual Meeting of the International Society for Stem Cell Research

  17. ニボルマブが著効した下顎悪性黒色腫の1例. 市村典久, 新阜宏平, 生冨翔平, 山本憲幸, 日比英晴. 第46回日本頭頸部癌学会

  18. 口腔癌に対するTUG1の抗腫瘍効果の検討. 新阜宏平, 市村典久, 生冨翔平, 日比英晴. 第46回日本頭頸部癌学会

  19. 当科における過去10年間の顎矯正手術後のプレート撤去についての検討. 若杉将史, 藤尾正人, 佐世暁, 坪井亮仁, 日比英晴. 第32回日本顎変形症学会

  20. 当科における10年間の顎矯正手術の検討. 藤尾正人, 佐世暁, 坪井亮仁, 若杉将史, 日比英晴. 第32回日本顎変形症学会 
  21. 異なるプレートを用いたLe Fort I型骨切り術の有限要素解析. 佐世暁, 藤尾正人, 坪井亮仁, 酒井陽, 若杉将史, 奥村大, 日比英晴. 第32回日本顎変形症学会

  22. 当科における気管切開術実施患者の臨床的検討. 生冨翔平, 市村典久, 新阜宏平, 見田幸大, 日比英晴. 第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  23. 創外固定法が奏効した下顎骨骨折の1例. 井村美孔, 佐藤康太郎, 江幡凌, 神道紀依, 佐世暁, 岡部一登, 日比英晴. 第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  24. 再建をともなう手術を受ける口腔癌患者のコーピングに関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 山本憲幸, 小間義朗, 外山直人, 浦田悠輔, 甲山尚香, 日比英晴. 第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  25. 再建をともなう手術を受ける口腔悪性腫瘍患者の心理状態に関する検討. 山口聡, 上之郷健人, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  26. 硬化性歯原性癌の1例. 江幡凌, 岡部一登, 山本憲幸, 河合孝真, 宮坂紗季, 日比英晴. 第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

  27. 異なるプレートを用いたLe Fort I 型骨切り術の生体力学的解析. 佐世暁, 藤尾正人, 坪井亮仁, 酒井陽, 若杉将史, 奥村大, 日比英晴. 日本口腔外科学会若手口腔外科医交流会キックオフミーティング

  28. The effect of oral management on the development of bacteremia in hematopoietic stem cell transplant recipients. Yamaguchi S, Kouyama N, Kaminogo K, Urata Y, Murase Y, Yamaguchi A, Hibi H. The 2nd Annual Meeting of the International Society of Oral Care

  29. 造血幹細胞移植患者の菌血症発症に対する口腔内管理の効果についての検討. 甲山尚香, 山口聡, 上之郷健人, 浦田悠輔, 村瀬由加里, 山口あゆみ, 日比英晴. 第19回日本口腔ケア学会

  30. 再建をともなう手術を受けた口腔悪性腫瘍患者の社会復帰に関する検討. 山口聡, 上之郷健人, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会 

  31. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の精神症状に関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 山本憲幸, 小間義朗, 外山直人, 浦田悠輔, 甲山尚香, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会

  32. 低温プラズマは口腔扁平上皮癌細胞に対し触媒性二価鉄量依存的に殺細胞効果を示す. 佐藤康太郎, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会

  33. COVID-19に伴う味覚障害の機序解明. 佐藤康太郎, 山本憲幸, 市村典久, 山口聡, 山田博久, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会
  34. O-グルコース糖鎖キシロシル化のNotch品質管理とシグナル伝達における役割. 浦田悠輔, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会

  35. ヒト歯髄幹細胞由来細胞外小胞が放射線性顎骨壊死に与える効果. 小原豪, 岡部一登, 宋昕蔓, 渡邊純奈, 外山直人, 太田優也, 小間義朗, 日比英晴. 第76回日本口腔科学会

  36. ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清が皮弁の生着に与える効果の検討. 王芸霖, 山口聡, 陳暉, 渡辺純奈, 酒井陽, 日比英晴. 第21回日本再生医療学会

  37. ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清がパクリタキセルによる脱毛症に与える効果の検討. 陳暉, 山口聡, 王芸霖, 上之郷健人, 酒井陽, 日比英晴. 第21回日本再生医療学会 

  38. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者のQOLに関する検討. 上之郷健人, 山口聡, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第40回日本口腔腫瘍学会

  39. 再建をともなう手術を受けた口腔癌患者の社会復帰に関する検討. 山口聡, 上之郷健人, 山本憲幸, 市村典久, 小間義朗, 甲山尚香, 日比英晴. 第40回日本口腔腫瘍学会

  40. Lysyl hydroxylase 2 (LH2) 由来コラーゲンクロスリンクは頭頸部癌の転移促進に関与する. 佐藤康太郎, Parag-Sharma Kshitij, 寺嶋雅彦, Musicant M Adele, Murphy M Ryan, Ramsey R Matthew, 日比英晴, 山内三男. 第40回日本口腔腫瘍学会

​2021年業績

【学会発表】​​

◎第25回日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会(2021年12月11~12日、名古屋&Web開催)
 「インプラント治療の安全哲学-新型コロナウイルス時代の新たな取り組み」をテーマに、現地開催およびWeb配信併用のハイブリッドで開催されました。医療安全や医療倫理の特別講演が組まれ、日常の診療においてエラーの起こりにくい環境の整備の大切さを再確認しました。またインプラント治療と喫煙の関係性について複数の講演者によるシンポジウムが組まれていたのが印象的でした。私たちは「顎骨再建後にインプラント体の周囲に再発した下顎歯肉癌の1例」のポスターを会場で報告しました。本会で学んだことを今後の診療に活かしたいと思います。

(佐世 暁)

 

◎第66回日本口腔外科学会総会・学術大会(2021年11月12〜14日、千葉&Web開催)

 「口腔外科学の現在までの進歩・未来の進歩を考える」をテーマに、現地開催およびWeb配信のハイブリッド形式での開催となりました。一般口演・ポスター発表はオンデマンドコンテンツ配信のみとなりましたが、およそ1か月間、発表の視聴やチャットでの質疑応答ができて大変有意義で勉強になりました。当講座からは7題の発表がありました。私は「ROCK阻害薬が骨延長術治癒に及ぼす影響」についてポスター発表をしました。初めての基礎研究での学会発表でしたが、自分の研究について理解が深まり、課題を見つけることもできたので、今後の研究に活かしたいと思います。

(坪井亮仁)

◎6th world congress of the Tissue Engineering and Regenerative Medicine International Society (TERMIS 2021) (2021年11月15〜19日、オランダ&Web開催)

 私は2021年11月17日にオランダで開催が予定されていたTERMIS 2021に“High Mobility Group Box 1 Promotes Bone Regeneration During Distraction Osteogenesis Via Accelerating Angiogenesis”という演題で口頭発表を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染防止のため、Web開催となりました。会議のテーマは、“Biologically inspired technology driven regenerative medicine”でした。幹細胞、血管再生、骨再生をめぐって、ドイツ、オランダ、米国、中国とその他の国の研究者がコミュニケーションをとっており、自分の研究とは異なる分野に触れることができました。同時に、興味がある並列セッションのビデオ再生を拝見することができました。今回は初めての海外での学会発表でした。この経験は私にとって非常に重要です。今後も今回の経験を生かして頑張っていきたいと考えています。

(常 琪)

◎The 60th Congress of Korean Association of Maxillofacial Plastic and Reconstructive Surgeons (KAMPRS)(2021年11月4〜10日、Seoul&Web開催)

 この度Web上でポスター発表させていただいた「Comparison of biomechanical

analysis after Le Fort I osteotomy with two square-shaped and four L-shape

titanium plates using 3D-FEA」でExcellence Awardを受賞することができました。

ポスターだけでも100演題ほどの登録があり、私の研究で用いるデジタルシミュレー

ションの発表も多くみられ、今後の研究に大変参考になりました。今回私にとって初

めての海外の学会発表でしたが、その国や地域の研究や医療に触れることができ、

気づきの多い大変有意義な学会でした。今後も研究を継続し、様々な学会に積極的に

参加したいと思います。

                                                    (佐世 暁)

◎第34回日本顎関節学会総会・学術大会(2021年10月23日~11月23日、Web開催)

 日本顎関節学会は昨年に続きWeb開催となり、小生は「非復位性顎関節円板障害に対する運動療法の有効性の検証とロック解除を困難にする要因の探索」という演題をePosterで発表しました。本研究でロック解除が困難な症例の因子を抽出することで、運動療法をおこなう際の症例選択の一助になればと考えております。今大会では隣接医学の知識を深めるためのシンポジウムや歯科衛生士の顎関節症患者へのかかわり方についてのシンポジウムがくまれており、他科との連携やコメディカルとの連携の重要性を学び大変勉強になりました。得られた知見を臨床、研究へと生かしていければと考えております。

(坂口晃平)

◎The 2021 IADR/AADR/CADR General Session(2021年7月21〜24日、Boston)

 2021年7月21-24日に開催された第99回International Association for Dental research (IADR)に参加し、「Lysyl hydroxylase 2 mediated collagen modifications promote Oral Cancer Progression」と題してポスター発表を行いました。残念ながら昨年に引き続き、感染予防の観点から現地での開催はできませんでした。しかし、on demand配信を上手に活用することで数多くの発表やセッションに参加できたことはバーチャルミーティングの利点であると感じました。世界で行われている最新の研究に触れられ、自身の研究に対するモチベーションの向上とともに、今後の研究のヒントが得られ、非常に充実した時間を過ごせました。最後に、本研究は名古屋大学とノースカロライナ大学との学術交流の一環として行われたものです。ご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。

(佐藤康太郎)

 小生は「Exosomes derived from mesenchymal stem cells stimulated by hypoxia accelerated osteogenesis」の演題を発表しました。国際学会のバーチャルミーティングは初めての経験で想像以上に緊張しました。米国ボストンとは13時間の時差があり日本時間で午前5時前から私のセッションが開始されました。参加者は約20名で、幹細胞研究に従事されているシンガポール国立大学、ペンシルベニア大学、ピッツバーグ大学、マレーシア国際医科大学の先生方から質問をいただきました。座長からの提案でZoomミーティングの利点を活かし参加者が満足いくまでディスカッションしようということで、白熱した議論がおこなわれ予定より30分ほど延長してセッションがひらかれていました。IADRは海外の研究者と交流できることにくわえ、自分の研究テーマ以外の分野にふれることができるのも大きな魅力です。今回の学会で得た知見を研究や臨床に生かし精進してまいります。

(坂口晃平)

◎第31回日本顎変形症学会総会・学術大会(2021年6月11〜12日、仙台&Web開催)
 私たちはWeb上で「異なるプレートを用いたLe Fort I骨切り術後の生態力学的解析」の口演をしました。これは本学工学部奥村大教授と医工連携のもとすすめている生体力学的解析の最初の発表になりました。Zoomを用いて質疑応答もあり、今後の研究の示唆に富んだ有意義な発表になりました。本学会は「パンデミック後の顎変形症治療の新たなる展開」をテーマに、興味深いシンポジウムが会場およびWeb上で多数公開されました。東日本大震災の被災地支援の目的で始まった遠隔医療の技術が新型コロナウイルス感染症の流行している現状において見直され、さらに発展を遂げていることを知ることができました。私の研究も遠隔医療で応用されるデジタル化や人工知能といった技術と相性がよく、とても参考になりました。本学会で得た経験を今後の臨床、研究に活かしたいと思います。

​(佐世 暁)

◎第75回NPO法人日本口腔科学会学術集会(2021年5月12~31日、大阪&Web開催)

 「次世代医学のために口腔科学がなすべきこと」をテーマにハイブリット形式で開催されました。コロナ禍のため現地で直接発表を聴く機会を失う一方で、本来参加することのできない同時刻開催の講演をオンデマンドで聴くことができ、その点は非常に有意義であると感じました。本学会は「医学と歯学」、「基礎と臨床」の横断的連携が特徴であり、今回の学術集会もそれに違わず多領域にまたがる大変魅力的なセッションで構成されていました。さらに留学を目指す若手研究者の刺激となるような特別講演も組まれており、多くの参加者にとって充実した学術集会となったのではないでしょうか。

 当講座からは3題のポスター発表がありました。私は「顎関節ヘルニアの1例」、大学院生の小間先生、宋先生がそれぞれ「シェーグレン症候群の唾液腺細胞老化に幹細胞由来細胞外小胞が与える影響」、「Fam20B depletion inhibits formation of proteoglycan-rich layer and alters calcification ability of bone marrow mesenchymal stem cells on titanium oxide surfaces」について発表しました。今回の学術集会で得た知識を日々の臨床や研究に活かし、引き続き研鑽を積んでいこうと思います。

(市村典久)

◎第20回日本再生医療学会総会・学術大会(2021年3月11〜13日、Web開催)

 「Back to the Basic, Look to the Future」をテーマとした記念すべき20回目の学会でした。神戸で開催予定でしたがWeb開催となりました。私は「ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清が皮弁の生着に与える効果の検討」についてポスター発表をしました。会場で他の施設の先生方と意見交換ができなかったのは少し残念です。しかし、オンデマンドの配信形式であったため時間をかけて複数回拝聴できたことは有意義でとても勉強になりました。ご指導頂きました、日比教授、山口先生、酒井先生をはじめとする医局の先生方に深く感謝申し上げます。

                                                                     (王 芸霖)

◎第39回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会(2021年1月28日〜2月21日、WEB開催)
 オンデマンドおよびライブ配信により開催され、私は「温熱療法を併用したTRAILの頭頸部扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果」についてポスター発表をしました。研究が思うように進まない中、他施設の先生にも貴重なご意見を頂けたことは大変有意義でした。ご指摘いただいたことを今後の研究に活かしたいと思います。

​(小原 豪)

  1. 顎骨再建後にインプラント体の周囲に再発した下顎歯肉癌の1例. 佐世曉, 岡部一登, 上嶋伸知, 外山直人, 日比英晴. 第25回日本顎顔面インプラント学会

  2. High Mobility Group Box 1 Promotes Bone Regeneration During Distraction Osteogenesis Via Accerelating Angiogenesis. Qi Chang, Masahito Fujio, Makoto Tsuboi, Huiting Bian, Hideharu Hibi. 6th world congress of the Tissue Engineering and Regenerative Medicine International Society (TERMIS 2021) 

  3. 有限要素解析法を用いたLe Fort I型骨切り術の固定法. 佐世暁, 藤尾正人, 坪井亮仁, 酒井陽, 奥村大, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  4. 両側ラヌーラを契機として診断されたシェーグレン症候群の1例. 小間義朗, 藤本雄大, 酒井陽, 山口聡, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  5. Kissing molars Class IIの1例. 椙村有紀子, 小田知生, 上嶋伸知, 洪志翔, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  6. マフッチ症候群患者に生じたIDH1遺伝子変異を伴う頰粘膜血管腫の1例. 市村典久, 山本憲幸, 外山直人, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  7. p53 変異頭頸部扁平上皮癌に対するTRAILと温熱療法を併用した治療法. 小原豪, 岡部一登, 太田優也, 山本憲幸, 外山直人, 浦田悠輔, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  8. ROCK 阻害薬が骨延長術治癒に及ぼす影響. 坪井亮仁, 藤尾正人, 荻須宏太, 若杉将史, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  9. エミシズマブ投与中のインヒビター保有先天性血友病A患者に対し抜歯術を施行した一例. 太田優也, 岡部一登, 椙村有紀子, 佐世暁, 浦田悠輔, 日比英晴. 第66回日本口腔外科学会

  10. Comparison of biomechanical analysis after Le Fort I osteotomy with two square-shaped and four L-shaped titanium plates using 3D-FEA. Sayo A, Fujio M, Tsuboi M, Sakai K, Okumura D, Hibi H. The 60th Congress of Korean Association of Maxillofacial Plastic and Reconstructive Surgeons (KAMPRS)

  11. 非復位性顎関節円板障害に対する運動療法の有効性の検証とロック解除を困難にする要因の探索. 坂口晃平, 田口望, 小林里奈, 田口慧, 日比英晴. 第34回日本顎関節学会

  12. Exosomes derived from mesenchymal stem cells stimulated by hypoxia accelerated osteogenesis. Sakaguchi K, Sakai K, Sugimura-Wakayama Y, Koma Y, Watanabe J, Maruyama H, Liu K, Dong J, Hibi H. The 2021 IADR/AADR/CADR General Session

  13. Lysyl hydroxylase 2 mediated collagen modifications promote Oral Cancer Progression. Sato K, Parag-Sharma K, Terajima M, Murphy RM, Hibi H, Yamauchi M, Amelio AL. The 2021 IADR/AADR/CADR General Session

  14. 異なるプレートを用いたLe Fort I骨切り術後の生態力学的解析. 佐世暁, 藤尾正人, 坪井亮仁, 酒井陽, 奥村大, 日比英晴. 第31回日本顎変形症学会 

  15. Fam20B depletion inhibits formation of proteoglycan-rich layer and alters calcification ability of bone marrow mesenchymal stem cells on titanium oxide surfaces. 宋昕蔓, 岡部一登, 神尾尚伸, 太田優也, 小原豪, 外山直人, 日比英晴. 第75回日本口腔科学会

  16. 顎関節ヘルニアの1例. 市村典久, 藤尾正人, 外山直人, 山田博久, 日比英晴. 第75回日本口腔科学会

  17. シェーグレン症候群の唾液腺細胞老化に幹細胞由来細胞外小胞が与える影響. 小間義朗, 酒井陽, 渡邊純奈, 椙村有紀子, 坂口晃平, 丸山裕, 日比英晴. 第75回日本口腔科学会

  18. 口腔ケア困難症例に対する当科での歯科衛生士の取り組み. 森小晴, 山口聡, 渡辺理紗, 中道瑛司, 近藤皓彦, 宮道朋美, 日比英晴. 第18回日本口腔ケア学会

  19. 造血幹細胞移植を受ける患者に対する当院での多職種連携. 渡辺理紗, 外山直人, 山口聡, 中道瑛司, 村瀬由加里, 森小晴, 宮道朋美, 日比英晴. 第18回日本口腔ケア学会

  20. ヒト歯髄幹細胞の無血清培養上清が皮弁の生着に与える効果の検討. 王芸霖, 山口聡, 陳暉, 渡邊純奈, 酒井陽, 日比英晴. 第20回日本再生医療学会

  21. 温熱療法を併用した TRAIL の頭頸部扁平上皮癌に対する抗腫瘍効果. 小原豪, 岡部一登, 太田優也, 山本憲幸, 日比英晴. 第39回日本口腔腫瘍学会

​2020年業績

【学会発表】

◎第24回日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会(2020年12月5〜6日、秋田&Web開催)
 「口腔機能再建への貢献」をテーマに、現地開催およびWeb配信併用のハイブリッドで開催されました。私たちは「広範囲顎骨支持型装置の周囲に下顎歯肉癌が再発した1例」のポスターをWebに公開しました。私たちの発表を含め本会と関わりの深い広範囲顎骨支持型装置の治療について興味深いシンポジウムや発表がありました。口腔癌術後の広範囲顎骨支持型装置を用いた治療は硬組織・軟組織ともに欠損や変形をきたしメンテナンスも難しい症例が多く、長期の安定した機能回復のためにインプラント周囲粘膜の軟組織の処置が特に重要であることを再確認できました。今回は新型コロナウイルス感染症の拡大によりオンラインの参加となりました。本会で学んだことを今後の診療に活かしたいと思います。

​(佐世 暁)

◎第65回日本口腔外科学会総会・学術大会(2020年11月13〜15日、Web開催)

 この度Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathologyに掲載された論文「Monocyte chemoattractant protein-1 and secreted ectodomain of sialic acid binding Ig-like lectin-9 enhance bone regeneration by inducing M2 macrophages」が、第20回日本口腔外科学会学術奨励賞を受賞しました。

本論文の内容は、私の大学院時代の研究テーマであった「リウマチ性関節炎に対する乳歯歯髄幹細胞由来培養上清の治療効果の検証」から派生したものであり、MCP-1とSiglec9が抗炎症性M2マクロファージを誘導することで骨形成を促進することを報告しました。

 新型コロナウイルスの感染拡大により当初から学会へはオンライン参加を予定していたために、授賞式への出席が叶わなかったことは非常に残念でしたが、本論文は、大学院修了後に研究計画から論文執筆、投稿に至るまで主体的に取り組んだ最初の論文であり、それがこのような名誉ある賞をいただくことができ評価されたことは大変光栄に思います。悩みや壁に突き当たることの多い研究活動ですが、その成果をさまざまな形でアウトプットしていく中で、賞を受けることは一研究者としてこの上ない喜びです。これを励みに今後もより一層精進してまいる所存です。

 最後に、私の関連病院への赴任後も客員研究者としての立場と研究を続ける機会を与えてくださった日比教授をはじめ、研究、論文執筆に際し御指導、御助力いただきました皆様に深く感謝いたします。

(磐田市立総合病院歯科口腔外科 石川 純)

◎第62回歯科基礎医学会学術大会(2020年9月11日〜10月9日、Web開催)

 鹿児島県での開催予定でしたがWeb開催となりました。私は一般演題(ポスター)のセッションで「Human dental pulp stem cell-derived extracellular vesicles prevent the functional damage caused by irradiated salivary gland」の演題で発表しました。

 今回の発表で自分の研究に対する理解を深めることができました。残念ながら優秀賞には選出されませんでしたが、応募したモリタ優秀発表賞では自分の研究と他の先生が行っている研究との差を実感することができ、あらためて現在の立場を知ることができました。他の専門的かつ革新的な最先端の研究発表もとても興味深く、これからも負けじと研究に打ち込みたいと思います。

 ご指導頂きました日比教授、酒井助教をはじめとする医局の先生方に深く感謝申し上げます。

(董 嬌)

 

 鹿児島県で開催予定でしたがWeb開催となりました。本学会は昨年も大型台風の影響で大幅に縮小して開催されたため今年は鹿児島の地で有意義な討論ができることを楽しみにしていましたが残念でした。私は一般演題(ポスター)のセッションで「マウス唾液腺原基・脾細胞共培養系を用いたex vivoシェーグレン症候群モデルにおけるヒト歯髄幹細胞由来細胞外小胞の効果」の演題で、培養皿上でシェーグレン症候群を模倣した変化を再現し、シェーグレン症候群の新しい治療アプローチの可能性について報告しました。

(小間義朗)

◎第50回日本口腔インプラント学会記念学術大会(2020年9月19日〜9月25日、Web開催)

 「インプラント治療 これまでの50年,これからの50年」をテーマとした記念すべき50回目の学会でしたが、新型コロナウイルスの感染防止対策への配慮から他学会と同様にWEB開催となりました。これまでの開催形式と異なりましたが、オンデマンドの配信形式であったため気軽に何度も試聴することが可能となり、大変有意義なものでした。直接対面して意見交換することは非常に重要なことでありますが、それに代わるメリットもあり、今後の学会や研修会等の開催形式は大きく変わっていくのではないでしょうか。

 これまでの50年、術式や材料の進歩には目を見張るものがあります。本大会でも数多くの特別講演、シンポジウムを通して、新たなるインプラント治療の進歩を伺うことができました。こうしてインプラント治療を受ける患者は増加の一途を辿っていますが、同時に超高齢社会である日本では悩ましい症例にも数多く遭遇するようになりました。苦慮することも多く、本大会では「骨造成後の骨補填材に感染が波及した1例」を供覧しました。メールでの意見交換に戸惑いましたが、これもまた直接対面ではない醍醐味がありました。

 全研修施設セッションでは、当科の取り組んできたインプラント治療とそれに関わる骨再生医療について紹介しました。ポスターの作成にあたり、当科のインプラント治療、骨再生医療の変遷をあらためて見直す機会となり、課題を再認識することができました。これからの50年、インプラント治療、骨再生医療に貢献できるよう、邁進したいと思います。

(渡邊純奈、岡部一登)

◎第33回日本顎関節学会総会・学術大会(2020年7月3日〜7月17日、誌上&Web開催)

 日本顎関節学会もWeb開催となり、小生は「咀嚼筋痛障害に対する運動療法の即時的治療効果の検証」という演題をePosterで発表しました。本研究は当講座同門の田口望先生(医療法人田口歯科医院)と共同でおこなった臨床研究です。顎関節症に対する初期治療として可逆的な治療法が推奨されており、運動療法もそのひとつです。今年4月に顎関節症に対する徒手的授動術が保険収載されたこともあり、運動療法はますます注目をあつめ、今回の学会では複数のシンポジウムが組まれていました。

 Web上でその他複数のご講演を拝聴することができ、顎関節治療において歯科衛生士や理学療法士などとチームであたることの重要性も勉強することができました。得られた知見を臨床、研究へと生かしていければと考えております。

(坂口晃平)

 

​◎日本補綴歯科学会第129回学術大会(2020年6月26~28日、Web開催)

 「食力向上による健康寿命の延伸:補綴歯科の意義」をテーマに福岡で開催予定でしたが、新型コロナウイルスによる感染防止のため、Web開催となりました。シンポジウム8「欠損歯列における咬合再構成―欠損をどう診て、どのようにアプローチするか―」において、日比英晴教授が「口腔外科医の立場から咬合再構成を考える」を講演しました。

(上嶋伸知、岡部一登)

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​◎第30回日本顎変形症学会総会・学術大会(2020年6月24日〜7月9日、Web開催)
 「外科的矯正治療の普及と質担保」をテーマに、興味深いシンポジウムがWeb上で多数公開されました。口腔顔面領域は咀嚼や嚥下、構音等の口腔特有の機能のみならず気道としての一面もあります。シンポジウムの「咽頭気道に配慮した顎矯正手術のあり方」、「外科的矯正治療による機能改善の検証と今後」では気道と顎矯正手術の関係がデータをもとに検証されており、大変参考になりました。また私たちは「異なるプレートを用いたLe Fort I型骨切り術後の骨片の安定性に関する検討」のポスターをWebに公開しました。今回は新型コロナウイルス感染症の拡大によりオンライン開催となりましたが、Web上でゆっくりと発表をみることができ、有意義な学会であったと感じています。今回の学会活動で得た経験を今後の診療に活かしたいと思います。

(佐世 暁)

 新潟で開催を予定されていた第30回の総会・学術大会は新型コロナウイルス感染症の拡大によりWebinar開催となりました。学会に参加登録した方のみ、Web上で講演やポスターを約2週間閲覧、拝聴できるという新しい試みでした。私は「低血圧麻酔下の顎矯正手術中に一時的な心停止をきたした顎変形症の一例」という演題をePosterで発表いたしました。会場で他の施設の先生方と意見交換ができなかったのは少し残念です。しかし、教育研修会やシンポジウムなどの講演は音声が収録されており、時間をかけて複数回拝聴できたことは有意義でとても勉強になりました。学んだことを日々の診療に活かしていければと存じます。

(坂口晃平)

​◎the 2020 IADR/AADR/CADR General Session

(2020年5月18〜21日、ワシントン)

小生は2020年3月18-21日にワシントンD.C.で開催が予定されていた第98回International Association for Dental research (IADR)にて口頭発表を行う予定でしたが、コロナウイルス感染症の流行のため、残念ながら開催は中止となりました。留学先であるノースカロライナ大学チャペルヒル校医学部で行っていた口腔癌とコラーゲンについての研究発表を予定としており、留学の集大成として計画していたため、残念ではありましたが、今後何かしらの形で発表出来ればと考えております。日本に滞在しながら留学先とのやり取りを行うことは時差の問題もあり、大変なこともありましたが、今となってはよい経験になったと思います。

 最後になりましたが、準備の段階でご協力頂いた皆様に感謝申し上げます。

(佐藤康太郎)

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国際歯科研究学会(IADR)総会・学術大会は令和2年3月18日から21日にアメリカ・ワシントンD.C.で開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりました。私は免疫細胞がマウス唾液腺器官培養に与える影響についての研究をポスターで発表する予定でしたが電子ジャーナル上での発表となりました。

(小間義朗)

 

◎第38回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会(2020年1月23〜24日、東京)

 今回、私は第38回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会において「エクソソーム関連タンパク質Alixの口腔扁平上皮癌における新規診断マーカーへの応用」について口演発表を行って参りました。今回の発表内容は私が大学院で取り組んだものでした。多くの先生方のご指導の下、研究を行う中で理論的な物事の考え方を学ばせて頂くことが出来ました。その中で得た成果を学会にて報告することができ、大変嬉しく思っております。また、学会では様々な講演が行われておりました。その中でも谷口英喜先生がご講演された「周術期の栄養管理 最新の考え方を学ぶ」というセッションでは、世界水準の周術期の栄養管理方法を知ることができ、大変勉強になると共に自身の勉学意欲向上につながる良い機会を得ることが出来たと感じております。今回の学会を通じて学んだことを今後の研究、臨床に活かしていきたいと思います。

 ご指導頂きました、日比教授、山本講師、坂倉助教をはじめとする医局の先生方に深く感謝申し上げます。

(中道瑛司)

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<2020年>

  1. 広範囲顎骨支持型装置の周囲に下顎歯肉癌が再発した1例 , 佐世暁,岡部一登,日比英晴 , 第24回日本顎顔面インプラント学会

  2. LH2 由来コラーゲンクロスリンクは頭頸部癌の転移を促進する , 佐藤康太郎,Kshitij Sharma,寺嶋雅彦,Ryan Murphy,日比英晴,山内三男,Antonio Amelio , 第65回日本口腔外科学会総会・学術大会

  3. マウス唾液腺原基・脾細胞共培養系を用いたex vivoシェーグレン症候群モデルにおけるヒト歯髄幹細胞由来細胞外小胞の効果. 小間義朗,酒井陽,董嬌,丸山裕,劉柯宏,渡邊純奈,日比英晴. 第62回歯科基礎医学会学術大会

  4. Human dental pulp stem cell-derived extracellular vesicles prevent the functional damage caused by irradiated salivary gland. 董嬌,酒井陽,小間義朗,渡邊純奈,日比英晴. 第62回歯科基礎医学会学術大会

  5. 中部地区の医療系大学学部・歯科口腔外科におけるCOVID-19感染予防対策に関する地域調査 , 石橋浩晃,渋谷恭之,日比英晴,栗田浩,小木信美,柴田敏之,吉村仁志,長尾徹,芳澤亨子,北井則行,野口誠,村松泰徳,住友伸一郎 , 第63回日本口腔科学会中部地方部会

  6. 後天性血友病A患者に生じた頬部蜂窩織炎の1例. 太田優也,岡部一登,坂倉寛紀,山本憲幸,山口聡,日比英晴. 第63回日本口腔科学会中部地方部会

  7. 汎発性帯状疱疹を併発した不完全型Ramsay-Hunt症候群の1例. 宮坂紗季,岡部一登,酒井陽,若山有紀子,大森正裕,坂口晃平,日比英晴. 第63回日本口腔科学会中部地方部会

  8. 骨造成後の骨補填材に感染が波及した1例. 渡邊純奈,岡部一登,酒井陽,藤尾正人,椙村有紀子,坂口晃平,佐世曉,日比英晴. 第50回日本口腔インプラント学会記念学術大会

  9. 骨再生についてのわれわれの取り組みの変遷. 岡部一登,藤尾正人,酒井陽,椙村有紀子,坂口晃平,渡邊純奈,日比英晴. 第50回日本口腔インプラント学会記念学術大会

  10. シリコーンアレルギー患者における周術期管理の経験. 坂口晃平,岡部一登,佐藤康太郎,澤木廉,日比英晴. 第29回日本有病者歯科医療学会学術大会

  11. 咀嚼筋痛障害に対する運動療法の即時的治療効果の検証. 坂口晃平,田口望,小林里奈,田口慧,岡田啓,日比英晴. 第33回日本顎関節学会総会・学術大会

  12. 口腔外科医の立場から咬合再構成を考える. 日比英晴. 日本補綴歯科学会第129回学術大会

  13. 異なるプレートを用いたLe Fort I型骨切り術後の骨片の安定性に関する検討. 佐世暁,藤尾正人,荻須宏太,坪井亮仁,酒井陽,日比英晴. 第30回日本顎変形症学会総会・学術大会

  14. 低血圧麻酔下の顎矯正手術中に一時的な心停止をきたした顎変形症の一例. 坂口晃平,藤尾正人,酒井陽,日比英晴. 第30回日本顎変形症学会総会・学術大会

  15. Effects of hDPSCs-derived Exosomes in Novel Salivary Gland Disease Model. Koma Y, Sakai K, Jiao D, Watanabe J, Hibi H. The 2020 IADR/AADR/CADR General Session

  16. Lysyl hydroxylase 2-induced Collagen Cross-link Switch Promotes Oral Cancer Metastasis. Sato K, Parag-Sharma K, Terajima M, Murphy RM, Hibi H, Yamauchi M, Amelio AL. The 2020 IADR/AADR/CADR General Session

  17. エクソソーム関連タンパク質Alixの口腔扁平上皮癌における新規診断マーカーへの応用. 中道瑛司,坂倉寛紀,山本憲幸,西川雅也,山口聡,日比英晴. 第38回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会

​学会主催

◎第44回日本顎顔面インプラント学会教育研修会(2021年8月29日、9月2日、9月4日)

 最近はオンラインで開催する研修会が増えてきました。ご多分に漏れず,本研修会も2021年8月29日にライブ配信,9月2日、4日に録画配信としてオンラインで開催しました。研修会では,新型コロナウイルスに係る医療安全体制を見直すため,「医療安全の基本をおさえる」をテーマに選び,6名の先生方にご講演していただきました。当日のライブ配信だけでなく,後日の録画配信にも多くの参加者が集まっていただきましたが,皆様にとって今後の診療の一助になれば,嬉しい限りです。

(岡部一登)

◎国際歯科医療安全機構学術研修会名古屋(2021年1月17日) 

 日比教授が主管代表となり国際歯科医療安全機構学術研修会名古屋を令和3年1月17日に開催いたしました。テーマは「喫緊の課題:医療安全,放射線管理,感染対策を考える」とし国際歯科医療安全機構理事長の瀬戸晥一先生に基調講演,5名の先生に講演をして頂きました。Web開催となりましたが多くの方が参加され盛会裡に終えることができました。

(山本憲幸)

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主管代表挨拶

日比英晴 先生

​(名古屋大学大学院医学系研究科

頭頸部感覚器外科学講座顎顔面外科学教授)

閉会挨拶

福田仁一 先生

​(国際歯科医療安全機構常務理事)

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基調講演として瀬戸晥一 先生(国際歯科医療安全機構理事長)から「ウィズコロナ時代の感染拡大防止策を歯科から考える」についてご講演いただきました。

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花田信弘 先生(鶴見大学歯学部探索歯学講座教授)から「新型コロナウイルスパンデミック期における口腔健康管理の重要性」についてご講演いただきました。

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浅海淳一 先生(日本歯科放射線学会理事長)から「歯科診療における診療用歯科放射線の安全管理ガイドラインに関して~歯科医療機関において対応・整備すべき点~」についてご講演いただきました。

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瀬島俊介 先生(バイオメディカルサイエンス研究会理事長)に「消毒・滅菌方法の正しい理解,非常時の対応」についてご講演いただきました。

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森岡 悠 先生(名古屋大学医学部附属病院中央感染制御部助教)から「歯科医療関係者が知っておいてほしい感染症とその対策:感染症科医の立場から」についてご講演いただきました。

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長尾能雅 先生(医療の質・安全学会理事長)に「患者安全の全体像」についてご講演いただきました。

◎第7回JAPSAM PRP・幹細胞研究会(2020年12月12、13日) 

 日比教授が当番世話人となり第7回JAPSAM PRP・幹細胞研究会を令和2年12月12日(Live配信)、13日(録画配信)に開催いたしました。テーマは「顎顔面領域におけるPRP・幹細胞の基礎と臨床展開」とし基礎研究から臨床展開に取り組んでいる4名の先生に講演をして頂きました。Web開催となりましたが多くの方が参加され盛会裡に終えることができました。

(山本憲幸)

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開会挨拶

髙久史麿 先生

(JAPSAM PRP・幹細胞研究会会長)

当番世話人挨拶

日比英晴 先生

​(名古屋大学大学院医学系研究科

頭頸部感覚器外科学講座顎顔面外科学教授)

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蛯沢克己 先生(名古屋大学医学部附属病院形成外科助教)から「アンチエイジングをめざした顎顔面領域の再生医療を行った経験」についてご講演いただきました。

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山田陽一 先生(大阪歯科大学口腔インプラント学講座准教授)に「幹細胞を用いた再生医療の現状と展望」についてご講演いただきました。

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金山健夫 先生(デンタルチームジャパン院長)に「インプラント治療における骨造成術のパラダイムシフト〜骨補填材を用いないサイナスリフト・GBR〜」についてご講演いただきました。

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山本朗仁 先生(徳島大学大学院医歯薬学研究部組織再生制御学分野教授)に「幹細胞由来の液性因子を用いた、顎顔面領域の次世代Cell Free再生医療の開発」についてご講演いただきました。

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閉会挨拶

岩田 久 先生

(JAPSAM PRP・幹細胞研究会 代表世話人)

◎第30回日本医学会総会2019中部(2019年4月27日〜29日) 

 4年に一度、医学を集大成する日本医学会の第30回総会2019中部が名古屋にて開催されました。名古屋大学名誉教授の齋藤英彦先生が会頭を務め、「医学と医療の深化と広がり〜健康長寿社会の実現をめざして〜」をメインテーマに、当講座は3つの企画に携わりました。①名古屋市科学館特別展(3月16日〜6月2日)「血液ツアーズ『人体大解明の旅』」、②市民展示「健康未来EXPO2019」(3月30日〜4月7日)、③市民公開講座(4月27日)「バラ色の老後は目と耳と口から!考えよう!高齢者の感覚器治療」でした。

 名古屋市科学館特別展では、舌について出展し、体験してもらったり漫画で示したりしてわかりやすいと好評でした。とくに味蕾のコーナーでは順番待ちになるほど盛況でした。市民展示はサンスターグループの協賛、愛知県歯科医師会の監修・協力、愛知県歯科衛生士会の後援で「あたたかいまち みんなでつくる健康長寿社会」エリア内のサブテーマとして「健康長寿とお口のケア」を出展しました。全体の来場者は9日間で30万人以上にのぼり大盛況でした。市民公開講座では愛知医科大学眼科の瓶井教授、本学耳鼻咽喉科の曾根教授と当科の日比教授が講演し、本会場に加えてサテライト会場まで満席で立ち見が出るほど、こちらも大盛況でした。ご協力くださった皆様に感謝いたします。

(酒井陽、山本憲幸)

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市民展示

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​名古屋市科学館特別展

◎第62回NPO法人日本口腔科学会中部地方部会(2019年10月6日、名古屋)

 令和元年10月6日に第62回NPO法人日本口腔科学会中部地方部会を鶴舞キャンパスにて開催いたしました。秋晴れの中151名の参加があり、活発かつ有意義な意見交換が行われ、盛会裡に終えることができました。丹沢理事長には理事長講演として口腔科学会の今後の展望についてご講演いただきました。名古屋大学大学院医学系研究科微生物・免疫学講座細胞免疫学教授の西川博嘉先生を招いて特別講演をしていただきました。演題は「がん微小環境の免疫抑制ネットワークの理解とがん免疫療法への展開」でした。がん免疫の基礎から免疫チェックポイント阻害薬と制御性T細胞との関係について最新の知見をわかりやすく教えていただいただき大盛況でした。

https://62ndchubustomatol.wixsite.com/home

(山本憲幸)

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​理事長講演

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​会長あいさつ

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​特別講演

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医局員一同

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